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ベタはRCで中判は四つ、135は六つと決めていた。
今回は135のお話。 このベタの中から焼きに出るのはせいぜい2-3カット多くて5-6カット。 みんな焼いてくれーと叫んでいるが(まるで「おでんくん」のようだ)それは冷徹なプリンターの目ではじかれる。 ということでほとんどが日の目を見ないわけだ。 しかし本当の悲劇とは37枚目のカット。 これはどうしても、ベタにもならない、不幸を生まれながらに背負っていた。 そして37番目のネガは捨てられたり、ネガケースの隅に追いやられていたりした。 ある時ふと見ると、なにやら凄い絵柄があって焼いてみると、これがなかなか良い。 これとは逆に焼かれなくて当然なネガもある。しかしこの「ベタにもならない」という悲劇は何とかしなければと考えているうちに、ある夜ピーンと来た。来た来た来た! 良しこれで一発個展をやろう! 題して「37枚目の悲劇」。 これはコンセプシャルじゃないか!ネガの吟味ではなく、とにかく37枚目であること。 撮影者の37枚目の緊張か、もう撮り終わるであろう集中力の弛緩か、この何が写っているか分からないスリルがどれだけ表現できるかがコンセプトであった。 そしてその個展は企画倒れのまま未だ温存されている。 って最初に空撮り2-3枚やれば悲劇は起きないんだけど・・・・・(泣)
by sa55t
| 2008-09-16 04:25
| プリント
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